[グループ名] AMSグループ (Advansed Multimedia System group)

[グループの目指すところ]

我々は,インターネットやワイヤレス環境において,音声,画像,映像を扱うアプリケー ションについての研究を行っています.そして,手軽にこれらのコンテンツを扱えるよう にすることを目指しています.ウェブサイトやデジカメで利用されている静止画像符号化 技術(JPEG,JPEG2000),DVDや地上デジタル放送,テレビ電話(携帯電話向け)で利用 されている動画像符号化技術(MPEG,H.264/AVC)など実用化に近いものから,まだ萌芽 状態にある技術(アニメーション符号化)を対象としています.

指導教授:
渡辺 裕 (早稲田大学 大学院 国際情報通信研究科 教授)
専門分野:オーディオビジュアル通信,JPEG,MPEG
URL(GITS渡辺研究室

〜お世話になっている先生〜
亀山 渉 (早稲田大学 大学院 国際情報通信研究科 教授)
専門分野:総合メディアアーキテクチャ,マルチメディアコンテンツ流通
URL(GITS亀山研究室)

[カテゴリ名]

コンテンツオリエンテッド符号化

[目指すこと]

現在の静止画像や動画像は,コンテンツの特徴とは無関係に単一の方式によって 符号化(圧縮)されています.例えば,静止画像圧縮に用いられるJPEG,動画像 圧縮に用いられる MPEGなどがその代表的な例であり,これらの符号化方式は主 に自然画像の符号化に優れた特性を示します.しかし,マンガやCG,セル画アニ メーションなどは,自然画像にない特徴があります.したがって,符号化方式も それに適したものを用いるべきだと考えられます. そこで日本で人気のあるコミック画像やアニメーション映像に着目し,符号化対 象となる絵の単純性を利用して,もっと効率よく符号化できないか研究を行って います.最終的にはFlashやSVG(Scalable Vector Graphics)などの普及してい る既存の環境における閲覧を実現し,インターネットや携帯端末に向けて配信す ることを目指しています.

[研究課題]

課題:マンガ符号化
内容:
マンガをJPEG方式よりも高圧縮な符号化方式と,セリフによる画像インデキシン グを検討しています.前者はスクリーントーンの分離・合成,ベクタ画像の生成 を主なアルゴリズムにしています.後者は,複雑な線画と文字が混在する画像か ら文字領域を抽出して,既存の文字認識技術を適用します.また,コンテンツの DRM(Digital Rights Management)も重要な課題です.

検討者:河村 圭

課題:アニメーション符号化
内容:
ラスタ画像(放映番組)からベクタ画像を生成することを主なアルゴリズムにし ていますが,改良すべき様々な問題があります.さらに,一連のベクタ静止画像 をベクタ動画像に拡張する,またはダイレクトにベクタ動画像を生成するなどの 課題があります.Flashのようなデータを,映像から逆に作ることはできないの でしょうか.

検討者:河村 圭

課題:ベクトル表現を用いたスケーラブルビデオ符号化
内容:
近年,電子コンテンツとその閲覧端末の多様化により,スケーラビリティ機能を 有するコンテンツ符号化の要求が高まっています.従来のスケーラブルビデオ符 号化方式の大部分はラスター表現を基本としており,拡大・縮小表示時の線の品 質保持は十分ではありません. このため,伝送から表示までの一貫した空間スケーラビリティの確保を目的と し,ベクトル表現を用いたエッジの分離・再構成手法を検討しています.まず は,急峻なエッジを含むアニメーション画像に適用しています.

検討者:山本 勇樹

[カテゴリ名]

高精細映像のロバスト映像配信

[目指すこと]

現在,インターネットを利用した映像の配信やクライアント間の情報交換が当たり前のように行われています.今後は,ディジタルシネマや HDTV などの高精細映像を頂点とし,様々な解像度や品質の映像がネットワーク上を流通すると予想されます.しかし,これまでの符号化方式はネッワークに対する親和性よりも,主に蓄積メディアにおいてどれだけデータ容量を削減できるかに重きが置かれてきました.そのため,従来の符号化方式を利用することによるネットワークに対する負荷や,パケットロスによる画質低下,再送による遅延などが現状の課題として残されています.我々は,ネットワーク親和性の高い符号化方式を検討することによりこれらの課題を解決し,インターネットにおけるロバストな映像配信の実現を目指しています.

[研究課題]

課題:情報源出力の多重分割と係数補正
内容:
近年,ロバストな映像配信を実現するための符号化方式として Multiple Description Coding が注目されています.この符号化方式は情報源出力を複数のビットストリームに符号化する方式です.複数のビットストリームを別経路のチャネルを用いて伝送することにより,ロバストな映像配信を実現することができます.しかし MDC では,分割を行うことによる符号化効率の低下が課題となっています.この研究テーマでは,方向性フィルタバンクによる帯域分割を行うことで符号化効率の向上を目指しています.

検討者:石川 孝明

[カテゴリ名]

ディジタルシネマ

[目指すこと]

現在,映画の製作,配信,上映の過程のディジタル化が進んでいます. 「ディジタルカメラによって撮影された映像が,ネットワークを通じて映画館に配信され,何度上映しても劣化しないディジタルプロジェクター(DLP)で上映される.」 これがディジタルシネマのひとつの完成形であるといえます.現在,ディジタルシネマの符号化方式としてJPEG2000 の利用が検討されており,配信方式を含めた国際標準化が進められています.しかし, JPEG2000を動画像に応用するための技術的な課題や,コンテンツの流通を円滑に行うための符号化方法には課題が残されています.我々はこれらの課題の解決と同時に,映画配信を家庭用TVや携帯端末まで行うなど,ディジタル化によって可能になる,新しい映画配信の実現に向けて研究を行っています.

[研究課題]

課題:解像度変換
内容:
ディジタルシネマの1つの特徴として,「One-Source Multi-Use」が挙げられます. これは,高画質(劣化なし)な映像アーカイブを構築し,そこから映画館をはじめとする各メディアに対し,そのメディアに最適な映像フォーマットで映像を提供するというものです.様々な受信端末,受信環境が混在する現在では,解像度は最も重要な要素のひとつであるといえます. 解像度や縦横比が適切でないと,画質の劣化や画像のゆがみを引き起こします. この研究テーマでは,符号化されたアーカイブ映像に対して,ある解像度が与えられたときに,適切な映像を素早く出力できるようなシステムの実現を目指しています..

検討者:石川 孝明

課題:Wavelet符号化における視覚的ゆがみの軽減
内容:
現在,ディジタルシネマに代表される超高精細映像の符号化では,Motion JPEG2000を用いることが検討されています.しかし,Motion JPEG2000の問題点 として,Flicker Artifactと呼ばれる視覚的 歪みを生じることが報告されています.高画質を要求されるディジタルシネマなどでは,この歪みの 削減が不可欠であると考えられます.

検討者:石川 孝明

[カテゴリ名]

JPEG2000におけるテキスト分離符号化

[目指すこと]

現在,デジタルカメラなどで利用されている静止画像符号化方式であるJPEGに代わる次世代符号化方式としてJPEG2000があります.この符号化方式は,圧縮性能の向上もさることながら,これまでは実装不可能であった様々な機能を実現が可能な点で従来のJPEGとは大きく異なります.本研究グループでは,最新の標準化動向を踏まえた上で,コンテンツの 2次利用性,すなわち画像の再圧縮や解像度変換を行う際のテキストデータの劣化に関して発生する問題点を克服すべく,研究を進めています.

[研究課題]

課題:JPEG2000におけるテキスト分離符号化
内容:
Web上で利用される静止画像コンテンツには,グラフィック上にテキストが重ねられているケースが多く見られる.しかし,このような画像に対し,JPEG2000による圧縮を施すとグラフィクス領域の画質劣化よりも,テキスト領域の画質劣化が視覚的に目立ってしまう.これは,JPEGやJPEG2000などの圧縮方式が,画像の高周波成分を切り捨てる手法を取っているという根本的な問題を抱えているためである. そこで,テキストデータを画像から分離することにより,圧縮時のテキストの視覚的劣化を防ぎ,同時にコンテンツの2次利用性を向上させる符号化方式を検討している.

検討者:石川 孝明

[カテゴリ名]

次世代動画像符号化方式

[目指すこと]

技術の進展により映像コンテンツのディジタル化が進んでいます.テレビや DVD,映画に加えインターネットを利用した映像配信など,さまざまな場面にお いてMPEG-2を始めとする動画像符号化方式が利用されており,今後映像の高解像 度化・高品質化が進むと扱う動画像のデータサイズが増大することが予想されま す.そこで現在の符号化方式よりも高圧縮率・高品質な符号化方式が望まれてお り,これを実現する次世代動画像符号化方式について検討を行っています.

[研究課題]

課題:3次元映像符号化
内容:
近年,映像の3次元化が注目されていますが,3次元映像は複数のカメラを用いて 撮影されるためカメラ台数に比例してデータ量が膨大になるという問題がありま す.効率的な圧縮が必要不可欠であり,空間方向と時間方向の両方の冗長性に着 目した圧縮方式について検討を行っています.また高圧縮だけでなく,ランダム アクセスや低遅延,部分復号といった機能も必要とされるため,それらも考慮し た符号化方式を目指しています.

検討者:後藤 崇行

課題:複素ウェーブレットを用いた画像,動画像符号化
内容:
JPEG2000では冗長性のない実数型ウェーブレットを用いた変換が行われます. 冗長性がないとは,変換前後でデータ数が変化しないことを意味します. この実数型ウェーブレットに対し,近年,複素ウェーブレットと呼ばれるものが提案されています. 複素ウェーブレットは,シフト不変性の成立,多次元における多方向エッジの分離,といった 実数型ウェーブレットにはない特性を持っています.また,複素ウェーブレットは冗長ウェーブレット です.つまり,複素ウェーブレット変換では,変換後のデータ数が増加します. このため,複素ウェーブレットは符号化に適さないように思えますが, 適切な処理を行い冗長性を削減していくことで,実数型ウェーブレットよりも高い符号化効率を得られる可能性 を秘めています.本研究の目的は,複素ウェーブレットを用いた画像,動画像符号化を実現することです.

検討者:高橋 良知

[カテゴリ名]

自動監視システム

[目指すこと]

セキュリティへの関心の高さから,監視システムの要求が高まっています.また,カ メラや記録装置の低価格化により映像を利用した監視システムの要求が増加すると予 想されます.現状では人手をかけて目視による監視や,カメラ設置による抑止を期待 して記録しかしないのが一般的です.そこで,人への負担を軽減し,現状では監視さ れていないカメラでも監視が行えるように,自動監視システムの実現を目指します.

[研究課題]

課題:複雑な環境における物体検出
内容:
屋外環境を撮影した監視カメラから得られる映像から,自動的に歩行者を検出す る技術の需要が,映像監視セキュリティの分野で高まっています.特に重要施設 の映像監視セキュリティにおいては,見逃し(検出漏れ)が許されないと同時に 日照条件や木の揺れ,光の乱反射など環境の変動に起因する誤検出を低減するこ とが求められています.そこで動物体の動きに注目し,木の揺れなど背景変動を 伴う複雑な環境において誤検出を低減する手法について検討しています.

検討者:伊谷 裕介

課題:照明変化のある環境での物体検出に関する検討
内容:
映像をもとに屋内外の環境監視の需要が増加しています. それにより背景の映像から 対象物体を分離する技術は様々な手法が取り入れられています.それらの多くは 処理コストの低さなどの理由から背景差分が広く使われています.しかしながら, 明度差を利用したこの差分は光の影響を受けやすく検出を妨げる要因となってい ます. そこで照明変化のある環境下での物体検出の検討をしています.

検討者:谷 誠一

課題:人物照合における特徴量を用いたシーン選択に関する研究
内容:
近年,映像監視システムの需要が急速に拡大しており,その映像監視システムの 一つとして人物照合が挙げられます.映像から人物照合を行う要素技術は多く研 究されていますが,監視中の映像や蓄積された監視映像から人物照合に適した シーンを選択する前処理の検討は十分にされていません. そこで,人物照合における特徴量を用いたシーン選択手法を検討しています.

検討者:守屋 宏美

[カテゴリ名]

高解像度化技術

[目指すこと]

近年,臨場感あふれる大画面のスポーツ映像やディジタルシネマに代表される超高画 質映像への期待が高まっています.これを実現するためには空間解像度,画素値深 度,色再現性,時間解像度の4要素の検討が必要となります.既存の映像からこれら の要素を満たす超高画質映像を作り出すことは出来ないでしょうか.

[研究課題]

課題:フレーム補間による時間解像度向上
内容:
現在,映像の高品質化のために時間解像度を向上させる手法としてフレーム補間がある.しかし,フレーム補間 の際に誤った画素値を与える誤補間によって補間画像が低品質になるという問題点がある.そこで誤補間の原因 を調べ,補間画像の品質を向上させるフレーム補間アルゴリズムについて検討している.

検討者:東 正史

[カテゴリ名]

大規模コンテンツ配信システムアーキテクチャ

[目指すこと]

近年,大規模コンテンツ配信への期待が大いに高まっています. 本研究では,効率の良 いコンテンツ配信を実現するためのメカニズムとして,現在盛んに研究されているアプリ ケーションレベル・マルチキャスト(ALM)と呼ばれる技術に焦点をあて研究を行っていま す. ALMでは,各エンドホストでパケットの複製,マルチキャストルーティングなどのマ ルチキャストに関する機能を実現します. つまり,ALMでは,IPマルチキャストルータの 役割を各エンドホストが担います. これにより,IPマルチキャストのようなネットワー クインフラストラクチャの変更を要求することなく,多受信者に対して効率の良いコンテ ンツ配信が実現できます. 本研究では,ALMを用いた大多数の受信者に対応したコンテン ツ配信アーキテクチャの実現を目指しています.

検討者:渡辺 裕

[カテゴリ名]

オブジェクトベース符号化

[目指すこと]

動画像符号化の手法として,カメラモーションを含む映像の中から,大きな背景画像(スプライト)を抜き出し,静止画として符号化し,一方で人物などの動物体(オブジェクト)のみを動画像として符号化し,それらを組み合わせることで従来より効率的な符号化を行うというのが目的です.課題としては,オブジェクトの切り出し方式,背景画像の作成方式,カメラ内だけでなく,カメラ自体の動きも考慮したグローバル動き補償(GME)などが挙げられます.

検討者:渡辺 裕


早稲田大学 理工学部/GITS 富永研究室

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